無料テンプレートでメニュー表は作れます。つまずくのは作るときではなく、2回目以降の更新と商用利用の可否の2点です。
- 商用利用――テンプレート本体が無料でも、使われているフォントと写真は別ライセンスです。店内掲示は商用利用にあたります
- 更新――テンプレートは「1回作る」ための設計です。品目を足すたびに行送りが崩れ、毎回レイアウトを直すことになります
- 品目数――ひな形は6〜10品で組まれていることが多く、20品を超える店ではそのまま使えません
「メニュー表をきれいに作りたいけど、お金はかけたくない」。そう思う飲食店オーナーにとって、無料テンプレートは立派な選択肢です。CanvaやWordのテンプレートを使えば、デザインの専門知識がなくてもある程度見栄えのある仕上がりが得られます。
ただし、選び方と使い方を間違えると「なんだか安っぽい」「値段を変えるたびにレイアウトが崩れる」という状況になりがちです。この記事では、主要な無料テンプレートの入手先を紹介したうえで、選び方の5つのチェックポイントと、使い始めてから気づく落とし穴を正直にお伝えします。
無料テンプレートが手に入る主な場所
無料でメニュー表のテンプレートを入手できる主なツールを紹介します。どれが「最善」ということはなく、お店の状況や使い慣れたツールに合わせて選ぶのが基本です。
| ツール | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| Canva | ブラウザ・スマホアプリで使えるデザインツール。テンプレートが豊富で写真の差し替えも簡単 | デザインに慣れていない人・スマホで作業したい人 |
| Microsoft Word / PowerPoint | 配布サイトからテンプレートをダウンロードして使う。Officeがあればそのまま編集できる | すでにOfficeを使い慣れている人 |
| Adobe Express | Adobeが提供する無料デザインツール。テンプレートのクオリティが高め | デザインの見た目にこだわりたい人 |
| Googleスライド | Googleアカウントがあれば無料。ブラウザ上で共同編集できる | 複数人でデータを共有・更新したい人 |
各ツールの無料プランには機能や素材に制限がある場合があります。最新の仕様は各サービスの公式サイトでご確認ください。
CanvaやAdobe Expressのようなブラウザ型ツールは、パソコンへのインストール不要でスマホからも使えます。一方、WordやPowerPointは手元のパソコンにOfficeがある場合に手軽で、作成したファイルをそのまま管理しやすいメリットがあります。
テンプレート選びの5つのチェックポイント
実際にテンプレートを選ぶとき、次の5つを確認しておくと後悔が少なくなります。
1. A4サイズで作られているか
コンビニのマルチコピー機で印刷する場合、A4サイズのPDFが基本です。テンプレートの用紙サイズを最初に確認しましょう。欧米向けのテンプレートは「レターサイズ」(8.5インチ×11インチ)で作られているものが多く、A4に変換するとレイアウトの比率がずれることがあります。
2. 日本語フォントが崩れないか
海外向けのテンプレートに日本語を入力すると、文字が崩れたり、意図しないフォントに自動的に置き換わったりする場合があります。テンプレートを選ぶ際は、日本語対応のフォントで作られているものか、日本語フォントに差し替えて使えるか確認してください。
3. 品目数が自分の店に合っているか
テンプレートの品目欄は固定数のものがほとんどです。欄を増減するとレイアウトのバランスが崩れやすくなります。自分のお店の品目数に近いテンプレートを選ぶのが、後からの手直しを最小限にする近道です。
4. 写真入りか文字のみか
料理の写真が入ったテンプレートは見栄えがよいですが、自分で用意できる写真がなければ差し替え作業が必要です。写真がない文字メインのテンプレートであれば、素材を用意する手間がかかりません。どちらが自分の店に合っているかを最初に決めておくと選びやすくなります。
5. 商用利用が許可されているか
お店のメニューとしてテンプレートを使う行為は「商用利用」にあたります。配布サービスの利用規約で商用利用の可否を必ず確認してください。「無料で使える」と書かれていても、商用利用には別途条件がある場合があります。
商用利用できるかを確認する手順
店内に掲示するメニュー表は商用利用にあたります。「無料テンプレート」と書かれていても、無料なのはテンプレートの構図だけで、中に使われているフォントと写真は別のライセンスということが珍しくありません。確認する場所は決まっています。
| 確認する対象 | どこを見るか | つまずきやすい点 |
|---|---|---|
| テンプレート本体 | ツールの利用規約・ライセンスページ | 「個人利用のみ」と書かれた素材サイト配布のものがある |
| フォント | フォント名で検索し、配布元のライセンス | 無料配布でも商用は別途購入というものがある |
| 写真・イラスト | 素材の詳細画面にある表示(Pro/有料など) | 見本の写真がそのまま残っていると、書き出しで透かしが入る |
| ロゴ・アイコン | 同上 | 商標に似た図形が含まれていることがある |
いちばん多い失敗は、見本の写真を差し替えないまま印刷してしまうことです。そのまま使うと素材のライセンスに触れるうえ、実際の料理や施術と違う写真が並ぶことになります。テンプレートを開いたら、まず写真をすべて自店のものに入れ替えてください。
迷ったときの安全策は「写真を使わず、日本語フォントはOS標準のものにする」です。游ゴシック・游明朝・ヒラギノ・Noto Sans JPあたりは、商用利用の制限がほぼありません。文字だけのメニュー表なら、権利の心配はほとんどなくなります。
無料テンプレートの落とし穴
無料テンプレートには便利な面がある一方、使い始めてから気づく落とし穴もあります。事前に知っておくことで対策が取れます。
他店と同じデザインになりがち
人気のテンプレートは多くの店舗が使っています。お客様が「どこかで見たことがある」と感じるデザインになりやすく、お店の個性を出しにくい面があります。店名やロゴ、色使いをカスタマイズして差別化する工夫が必要です。
フォントの権利に注意が必要
テンプレートに組み込まれているフォントが、印刷物への商用利用を許可していない場合があります。CanvaやAdobe Expressのような統合型サービスでは、サービス規約の範囲内でフォント利用が包括されているケースが多いですが、配布サイトからダウンロードするWordやPowerPointのテンプレートは、使用フォントのライセンスを個別に確認することをおすすめします。
「テンプレートが無料=すべて自由に使える」とは限りません。フォントや写真素材に個別のライセンスが設定されている場合があります。商用利用の可否に不安がある場合は、規約を直接確認するか、別のツールを選ぶほうが安全です。
「テンプレに合わせて品目を削る」本末転倒
テンプレートの品目欄が自分のお店より少ない場合、品目を無理に合わせて削ってしまうオーナーも少なくありません。メニュー表の目的はお店の魅力を伝えることです。テンプレートの制約に合わせてお店を変えるのは本末転倒なので、品目数が大きく異なるテンプレートは最初から除外するようにしましょう。
更新のたびにレイアウトが崩れる
値上げや季節メニューの追加のたびにWordやPowerPointで手直しをすると、テキスト量が変わってレイアウトが崩れることがよくあります。修正のたびに全体のバランスを整え直す作業が必要になり、「結局ゼロから作り直した」という経験をするオーナーも多くいます。更新頻度が高いお店では、このコストが積み重なることを事前に意識しておきましょう。
品目数が合わないテンプレートを自店に合わせる
テンプレートは6〜10品で組まれていることが多く、実際の店とは合いません。20品ある店が10品用のひな形を使うと、たいてい次のどちらかになります。
- 文字を小さくして詰め込み、薄暗い店内で読めなくなる
- 入りきらない品目を削り、売りたいものが載らなくなる
どちらも本末転倒です。合わせ方には順番があります。
- まずページを増やす――1枚に収めることを目的にしない。20品なら2枚に分けたほうが読みやすくなります。
- カテゴリで区切る――「前菜/メイン/ご飯もの」のように分ければ、1ブロックあたりの品数が減って余白が生まれます。
- 説明文を削る――品名と価格は削れませんが、一言説明は省けます。全品に説明をつける必要はありません。
- 最後に文字サイズ――ここを触るのは最後です。本文は最低でも10ptを目安にしてください。それ以下は店内の照明では読みにくくなります。
テンプレートの枠に自店を合わせるのではなく、自店の品目数に合うテンプレートを選び直すほうが早いこともあります。選ぶ前に、載せたい品目を紙に全部書き出して数えておくと、ひな形選びで失敗しません。
作った後の印刷方法
テンプレートでメニュー表が完成したら、次は印刷です。自宅や店舗にカラープリンターがない場合や、もう少しきれいに仕上げたい場合は、コンビニのマルチコピー機を使う方法があります。
ローソン・ファミリーマートの「ネットワークプリント」、セブンイレブンの「netprint」を使えば、スマホからPDFをアップロードして店頭で印刷できます。A4カラーで1枚60円前後から印刷でき、24時間いつでも対応しています。具体的な手順や料金の目安は、次の記事で詳しく解説しています。
メニュー表をコンビニで印刷する方法|A4カラー60円前後・スマホ完結
「作るのは無料、維持は有料」を理解しておく
無料テンプレートの最大のコストは、実は時間です。最初に作るときは数時間かけてデザインを整えられても、値上げや品目変更のたびに同じ作業が繰り返されます。更新頻度が月に1〜2回あるお店では、年間を通じると相当な時間が費やされていることも珍しくありません。
テンプレートを使いこなせる人にとっては問題ありませんが、「デザインより料理や接客に時間を使いたい」という方や、「毎回レイアウト直しにうんざりしている」という方には、更新作業を大幅に減らせる専用サービスも選択肢の一つです。
MenuPrint(メニュープリント)は、スマホのブラウザでメニュー名と価格を書き換えるだけで、プロが設計したレイアウトのメニュー表が自動で仕上がります。発行されたQRコードをローソン・ファミリーマートのマルチコピー機にかざすだけで印刷できるため、デザイン調整もPDF書き出しも不要です。月額980円(税込)〜の3プランで提供しており、アプリのインストールも不要です。更新の手間を減らしたい場合は、一度ご相談ください。初回相談は無料です。