パン屋やケーキ屋は、飲食業のなかでも特に「商品の入れ替わり」が多い業態です。季節のフルーツで新作を出し、売れ行きを見てラインナップを調整し、イベントに合わせて限定品を仕込む。そのたびに必要になるのが、商品札(プライスカード)と新作POPです。
閉店後にカードを手書きで作る作業が習慣になっているお店は多いですが、商品数が30、50と増えてくると、その積み重ねはばかになりません。この記事では、買いたくなるカード・POPの書き方と、新作のたびにゼロから作らないための運用を解説します。
プライスカードに載せる3点セット
ショーケースや棚のカードに必要なのは、突き詰めると次の3つだけです。
| 要素 | 例 | ポイント |
|---|---|---|
| 商品名 | クロワッサン・オ・ザマンド | 読みにくい名前にはふりがなや補足を |
| ひとこと説明 | アーモンドクリームを二度焼きで香ばしく | 素材・製法・食べ方のどれかを一言 |
| 価格(税込) | 320円 | 総額表示が原則。数字は大きく |
このうち売上に効くのは「ひとこと説明」です。初めてのお客様は、見た目と名前だけでは味を想像しきれません。「国産バター100%」「朝焼き上げ」「一番人気」のような一言があるだけで、選ばれる確率が変わります。
全部の商品に凝った説明を書く必要はありません。定番はシンプルに、推したい商品・新作・季節品にだけしっかり一言を入れる。このメリハリ自体が「おすすめはこれ」という案内になります。
新作POPは「型」を決めてしまう
新作やおすすめを訴求するA5〜A4サイズのPOPは、毎回デザインから考えるから大変になります。おすすめは、デザインの型を1つ決めて、中身だけ差し替える方式です。
- 構成を固定する――「キャッチコピー→商品写真または商品名→一言説明→価格」の並びを決めてしまいます。
- 色とフォントを固定する――お店のロゴや袋の色に合わせた2〜3色に絞ると、店内に何枚貼っても散らかりません。
- 期間を書く――「9月末まで」「なくなり次第終了」と入れておくと、鮮度感が出ると同時に、外し忘れにも気づけます。
POPの掲示場所や貼り替えの考え方は、季節メニュー・おすすめPOPをすぐ作って貼り替える方法で詳しく解説しています。
書き方で気をつけたいルール
- 価格は税込の総額表示が原則――店頭に示す価格は、支払額がそのままわかる書き方にします。イートインスペースのあるお店は、テイクアウトと税率が変わるため、どちらの価格か明記しておくとレジでの説明が減ります。
- アレルギー情報は「書くなら正確に」――対面販売では法律上の表示義務はありませんが、卵・乳・小麦などの主要原材料を書いておくと、アレルギーのあるお客様に選ばれるお店になります。あいまいな場合は「スタッフにお尋ねください」と添えるのが誠実です。
- 「本日中にお召し上がりください」等の但し書き――生菓子は日持ちの目安を書いておくと、持ち帰り後のトラブルを防げます。
値上げしたのにカードが旧価格のまま、という事故はパン屋・ケーキ屋で特に起きがちです。商品数が多く、カードの数だけ差し替え漏れの可能性があるためです。価格改定のときは、商品リストと突き合わせて全カードを一斉に入れ替えましょう。段取りは値上げ時のメニュー表差し替えで解説しています。
汚れ・水濡れには「刷り直せる」ことで対抗する
ショーケース内のカードは、粉や油、水滴で必ず汚れます。手書きカードだと「汚れたらまた書く」を繰り返すことになりますが、印刷データで持っておけば、汚れたら同じものを刷り直すだけです。ラミネート加工やカードスタンドと組み合わせれば、日々の拭き取りにも耐えます。
印刷はコンビニのマルチコピー機で十分です。A4に商品カードを4〜8枚割り付けて印刷し、カットして使えば、カラー1枚80円前後で数枚分のカードが作れます。手順はメニュー表をコンビニで印刷する方法をどうぞ。
新作のたびの作り直しを数分にする
MenuPrint(メニュープリント)を使うと、お店に合わせたデザインの型を最初に設定し、あとは商品名・一言・価格をスマホで書き換えるだけでカードやPOPの印刷データが仕上がります。閉店後の手書き作業や、パソコンを開いてのデザイン修正から解放されたいお店に向いています。月額980円(税込)〜、初回相談は無料です。